俺たちが東北を熱くする!

 今秋ドラフトで指名を受けた楽天の新人8選手が12日、Kスタ宮城などの施設を見学した。1位指名の塩見貴洋投手(22=八戸大)同3位阿部俊人内野手(21=東北福祉大)育成2位木村謙吾投手(18=仙台育英)と、東北の学校で活躍した3選手も集合。がっちり手を合わせ、プロでの活躍を誓い合った。今日13日、星野監督と初対面し、入団会見に臨む。

 大学で、高校で、それぞれお世話になった東北を盛り上げたい。ポジションや年齢は違えど、思いは3人とも同じだった。他の新人選手と一緒にKスタ宮城のマウンドを踏んだ塩見が口を開いた。「僕らは、高校や大学で東北地方でプレーしてきた。大学から自分のことを見てくれた人もいる。その人たちのためにも頑張っていきたいですね」。寒空の中、晴れ間がのぞいた仙台の空のように、澄み切った笑顔で言った。

 塩見は大阪出身で、高校は愛媛。大学で青森に来たが、今やすっかり東北人だ。この日、仙台は最高気温7度と冷え込んだが「八戸の方が寒いですよ。4度か5度ぐらいですから」と、へっちゃらだった。「仙台のファンは、すごく愛情を持ってくれるイメージ」と新たな町にも不安はない。

 塩見の隣では、阿部が「縁があるんですねえ」と漏らした。生まれは仙台で、育ちは東京。大学で仙台にUターンしたことが、運命を変えた。プロでも仙台という巡り合わせに「小さいころは、あまりなじみがなかったのに、指名されたのも縁。盛り上げていきたいです」と意気込んだ。

 生粋の東北人も黙っていない。3人の中では最年少の木村だが、宮城で生まれ、宮城で育ち、宮城の球団に入る。「楽天には地元出身の選手が少ない。みんなで盛り上げていければいいですね」と地元の顔を目指す。育成選手として入団する。「早く体を作りたい。地元の選手だけど、いろんな人に応援されるようになりたいです」と志は高い。

 星野監督は10月末の就任会見で「東北を熱くするのが私の仕事」と宣言した。楽天の11年組に結成された東北トリオが、闘将の先兵となる。【古川真弥】

 [2010年12月13日10時41分

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