名誉よりも信頼回復?

 阪神安藤優也投手(32)が12日、来季の開幕投手争いに参戦しない意向を明かした。今季、プロ入り自己ワーストタイの2勝(3敗)に終わった右腕は、3月25日ヤクルト戦(神宮)で始まる来季について「今の自分はそこ(開幕投手)を目指す立場にない。それよりも、来年はシーズンを通して先発の一員として働くことしか考えてない」と胸の内を明かした。

 今年の開幕戦。安藤は横浜を相手に5回6安打3失点投球を演じ、球団史上初となる3年連続開幕勝利投手に輝いた。来年もオープニング試合を務めると、球団では故小林繁氏が持つ4年連続4度に並ぶ。歴代のエースだけが手にしてきた名誉が、モチベーションになるとも考えられたが、安藤の考えは違った。

 安藤

 無理してそこ(開幕投手)を目指すより、1年間戦える体を作り上げる方がチームにとってもプラス。ここ2年は成績も残せてないし、何とかまた信頼してもらえる投手を目指すことが自分にとって大事。

 シーズン終盤には右肩痛を抱え、現在は2軍鳴尾浜でリハビリトレーニングに奮闘中。年内の投球再開を目指しており、順調なら2月のキャンプインまでにブルペン投球を再開させる予定だ。

 「ここ2年は悔しい思いしかしてない。死に物狂いでやるしかない」

 プライドをかなぐり捨て、背番号16が信頼回復を目指す。

 [2010年12月13日11時18分

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