投手版マートンを探して!
阪神が09年に退団したジェフ・ウィリアムス投手(38)に「駐米スカウト」として球団復帰を再び打診することが12日、分かった。退団後にシーツとの2人制を検討していたが、現役続行にこだわったため、一時凍結していた。投手の最強助っ人発掘を期待し、近日中にも復帰を働きかける予定だ。
ジェフよ、復帰してくれ!
猛虎の一時代を築いた左腕に対し、球団の思いは強かった。球団首脳は言葉に力をこめる。
「スカウトの話は生きている。今はどういう状態なのか調べて、こちらから働きかけてもいい」
選手としてではなく、「駐米スカウト」という外国人発掘の任務を近日中にも打診することが明らかになった。
ウィリアムスは阪神に7年間在籍し、JFKの一員として、2度のリーグ制覇に貢献した。しかし左肩を痛め、09年限りで退団。その人柄と人脈を評価し、駐米スカウトとして復帰を検討していた。本人が現役続行にこだわったため、交渉は一時的に凍結。ただリハビリ後は目立った活動はなく、事実上の引退状態になっている。現在もトレーニングに励んでいるという情報はある。ウィリアムス自身の考えを把握するため、調査に動くことになった。
阪神は昨年まで外国人補強が失敗続きで、補強ルートに見直しに着手していた。09年にOBのアンディ・シーツ氏(39)と駐米スカウトの契約を交わし、オマリー氏を解雇。助っ人選定も慎重に進め、獲得したマートンとブラゼルが大活躍した。同首脳は「外国人の補強には大きな金額が動く。スカウト、調査はどんなに入念にやってもいい」と言う。
成功例に浮かれることなく、次の一手を打つ。それがジェフの復帰だ。大規模な米国球界をシーツ1人で見て回るのは、限界がある。ウィリアムスは過去、ドジャースに在籍し西海岸に強い。東西の両地区に1人ずつ配置し、効率よく選手を発掘させるプランだ。またオーストラリア出身で、幅広い情報収集も期待できる。猛虎を支えた優良助っ人コンビ結成で夢が膨らむ。
やはり優勝を狙うためには、外国人の活躍が必要不可欠。球団復帰する藪の米国球界の人脈を活用する方向ではあるが、あくまで本業は2軍コーチだ。ウィリアムスの加入で、筋肉質の組織をつくり上げる。補強のリスクをできる限り、軽減。投手版マートンを探せ!
新外国人獲得よりも、大きな戦力になる可能性を秘めている。
[2010年12月13日11時17分
紙面から]ソーシャルブックマーク