お任せください、敵地でG斬り!

 阪神ドラフト1位の榎田大樹投手(24=東京ガス)が12日、「ドーム男」宣言した。社会人時代は、東京ドームで4勝0敗、防御率2・48と相性抜群。巨人打線についても「自分の投球をすれば、ある程度抑えられると思います」と自信をのぞかせた。この日は、都内の東京ガスグラウンドで自主トレを行った。

 敵地での登板が今から待ち遠しい。4戦4勝無敗、防御率2・48。虎のドラ1榎田が社会人時代に残した東京ドームでの成績だ。09年に都市対抗野球で新人賞にあたる若獅子賞を獲得し、プロへの道を切り開いた思い出のマウンド。成功を信じて、自主トレを続ける左腕は、大好きな宿敵巨人の本拠地への思いを明かした。

 「狭いですけど、マウンドが合っているので、東京ドームは良いです。音とか、雰囲気も良くて、すごく気持ちよく、投げられるんです。巨人打線?

 左バッターが多いので、自分の投球をすれば、ある程度抑えられると思います」

 ドーム球場で好投できる理由を、外気温の影響を受けないことと、湿気がないことを挙げた。今季、チームは東京ドームで5勝7敗で、平均失点は6・33。打ち合いになる傾向があったが、ドラ1左腕は、鬼門打破への救世主候補に名乗りを上げた。

 自らはドーム無敗でも、ついに手にできなかったものがある。

 「社会人では日本一になれなかった。2ケタ勝利、新人王は、チームの優勝につながる。そのためにも、開幕一軍は大前提です」

 照準は新人合同自主トレが開始する来年1月9日。出遅れるわけにはいかない。銅メダルを獲得したアジア大会で、榎田の体に変化が表れた。食べ物が口に合わず、普段は口にすることがないファストフードを「食べないよりは、食べた方がいいと思って」と主食代わりにしていた。その影響が体に表れ、体脂肪率はベストの16%から2%アップしていた。

 帰国後は、激励会などお酒を飲む機会が激増。お酒はもともと強くないが、カロリーの高いビールは控え、薩摩人らしく焼酎をたしなむ程度にしてきた。25日まで、みっちり東京ガスまで自主トレを行った後、鹿児島へ帰省。砂浜を走って体を絞り込むなどして、ベストコンディションを取り戻すプランだ。

 来季の東京ドーム初戦は、開幕4カード目の4月5日。巨人ファンのため息がドームを満たすとき、新Gキラーが誕生する。【鎌田真一郎】

 [2010年12月13日11時23分

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