サイドスローに転向する巨人野間口貴彦投手(27)が18日、習得中の新球を初公開した。チームメートの松本、日本ハム武田勝らと茨城・常陸太田市内のグラウンドで自主トレを行い、捕手を座らせ、60球の投球練習。「面白い球を投げるから」の宣言後に、シュートしながら浮き上がる魔球「ライジングシュート」がベールを脱いだ。

 「こんな軌道見たことないです」。打席に立った松本が思わず声を上げた。捕手を務めた谷内田も「僕も初めて見ました」と驚嘆。マウンド上の野間口は納得の表情を浮かべ、その反応を受け止めた。日本ハム・ダルビッシュが昨年のオールスターで「ライジングカットボール」を投げたが、その逆バージョン。松本は「右打者は相当怖いですね」と舌を巻いた。

 逆転の発想から生まれた魔球だった。サイドスローの練習中に、何度かボールが抜けることがあり「うまく応用すれば使えるかも」とひらめいた。「握りはシュートですかね。それ以外は何も言えないです」と口を閉ざす。すでにブルペンで投げ込みを開始し、新球の完成度も高まってきた。背番号は「33」から「45」、投げ方はサイドスローに変更。野間口が新たなスタートを切る。【久保賢吾】

 [2011年1月19日9時12分

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