JFKでV!
阪神城島健司捕手(34)が、捕手陣との共闘で優勝をつかみとる。18日、球団事務所に契約更改。4年契約の2年目は現状維持の年俸4億円プラス出来高でサイン。左膝手術明けのジョーはFA加入の藤井と情報共有を宣言。小宮山も加えた捕手陣の結束でチーム力を上げ、6年ぶりの頂点を目指す。
城島が、少し考えてから口を開いた。自身の左膝手術に伴って、FA加入した同じ年の藤井に関する質問だった。「複雑ではありますけど」と口にした上でプロとして共闘宣言した。
城島
1つのポジションを争うライバルではありますけど、同級生でもある。一緒にユニホームを着て、フィールドに立てば、タイガースの戦力なので。2人とも。捕手同士ですから、意見を言い合ったり、情報を提供し合うのは当然ある。ピッチャー思いのいいキャッチャーだと思います。
同じ捕手として、藤井はライバル以外の何ものでもない。ジョーはプロの世界のおきても理解している。
城島
この世界は勝負なので。自分の契約があるから安泰とは全然思ってない。あぐらをかいて、ふんぞり返っているとすぐにポジションを取られる。そんな甘い世界ではない。
そんな34歳があえて協力態勢をとるのは、個人を超えた大目標があるからだ。
城島
(阪神は)優勝から遠ざかっている。144試合を戦う上で1位でゴールテープを切る。それが選手として大きな部分になってくる。チームの大きな目標。球団としても「144試合を戦って優勝してくれ」と。当たり前ですが、そこを目標にしている。
城島は「優勝」を口にすることを嫌う。選手を将棋の駒に例えて、駒を動かしてチームを勝利に導くことは首脳陣の仕事というスタンスだ。ただ5年も優勝がないチームにとっての悲願は理解している。そして自分の立場も理解している。
城島
目指すところは全試合全イニングだと思います。ただ無理をして早くではなく万全で。これは毎年です。ただ代走や試合に出ないこともあるでしょう。
チームは手術明けの城島に無理はさせない方針。藤井(F)や小宮山(K)らとの併用で、城島に積極的休養をとらせることになる。144試合を戦い抜くためには、捕手版JFKの結束が必要。ジョーは自身の経験に基づいた知識やデータをライバル2人と共有する構えだ。
ただ共闘宣言の最後に城島らしくひと言、加えた。
城島
足(の速さ)は変わらないんちゃうかな。通算スティールはオレの方が多いか?(城島79、藤井16)。そこは競っていこうかな。そこはプライドを出していこうかなと思います。
個人成績よりも大きな志を掲げて、11年シーズンに向かう。
[2011年1月19日11時31分
紙面から]ソーシャルブックマーク