楽天のコーチ会議が21日、仙台市内のホテルで行われた。星野仙一監督(64)以下、首脳陣、スタッフが今年初めて一堂に会し、チーム構築の指針や、2月1日から沖縄・久米島で行うキャンプの方針などを確認した。今季のスローガンは「Smart&Spirit2011

 真っすぐ」。星野監督の腹案で、会議では多くの時間を真意の説明に割いた。シンプルだが、さまざまな解釈のできる「真っすぐ」という4文字に、指揮官の思いがぎっしりと詰まっていた。

 言葉の力を熟知している星野監督が選んだ、楽天の進むべき道は「真っすぐ」だった。冒頭の指示は「選手の心に火をつけよう」のひと言。キャンプのメンバー選定、スケジュールなどは信頼置くスタッフたちに任せ、口を挟むことはなかった。スローガンの議題に移ると思いの丈をさらけ出し、場は静まり返った。球団側も候補を50個ほど用意していたが、監督に異論を挟む余地などなかった。

 取材の輪の真ん中でも、よどみない語り口で、問いかけるように“こころ”を説いた。

 星野監督

 単純だけど複雑。どこに対しての「真っすぐ」なのか。夢に対してか。いろいろな意味が含まれるが、すべてに対して真っすぐでいこう。

 ややあいまいで、あらゆる解釈のできる言葉を、あえて選んだ。「真っすぐの球速を上げる」「真っすぐ遠くに打球を飛ばす」「真っすぐ勝利だけを目指す」…。プレーに置き換えることももちろんできる。だが監督が求める地平はそこではなかった。野球人として、よりもずっと広い視野で大局を見た。

 日本一ロッテの「和」、巨人の「結束」。この2つのキーワードに共鳴していた。

 星野監督

 なるほど、と思った。今、日本人に一番欠けているものを掲げている。チームのスローガンでありながら、世の中に訴えかけている印象を受けた。大事だと思う。なぜこういうスローガンにしたのか、みんなに考えてほしい。

 楽天のユニホームを着て1年を共有する仲間に対し、「どうあるべきか」との人生訓のテーマを与えた。普遍性ある4文字を体現することができれば、楽天の枠を超えてメッセージを送ることができる-。星野監督は真っすぐに、野球の持つ力を信じている。【宮下敬至】

 [2011年1月22日8時36分

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