キングトリオで一塁争奪戦!

 オリックスからソフトバンクに移籍したアレックス・カブレラ内野手(39)が29日、福岡市の球団事務所で入団会見を開いた。同席した秋山幸二監督(48)は一塁をカブレラと小久保裕紀内野手(39)、松中信彦外野手(37)の過去本塁打王を獲得した3人に競わせると明言した。

 激しい競争を勝ち抜いてこそ、真の実力を発揮できる。カブレラが、一塁守備へのこだわりを明かした。打つだけでは満足しない。小久保、松中に堂々とキング対決を挑み、制する決意だ。

 「守備もしっかり準備するだけさ。今まで10年間、日本でプレーしてきた経験をいかしたい」。

 カブレラの守備への意欲を大歓迎したのは、ほかならない、会見に同席した秋山監督だった。

 「準備はしっかりやってもらう。松中も今年から守るかもしれない」。

 本職が左翼手の松中にも一塁復帰を視野に入れさせた。カブレラ、小久保、松中の3人とも本塁打王を獲得した実績があり、3人の合計本塁打数は1000発以上。一塁は、一気に超激戦区となるが、新助っ人砲は、ポジションを譲る気などない。

 09年に13本塁打、昨季は24本塁打と、最近は本来の長打力をいかしきれていないのも事実。西武時代の02年には55本塁打をマーク。79年の王(当時巨人)、01年のローズ(当時近鉄)に並ぶ日本歴代最高記録保持者でもある。王球団会長から新記録更新の期待をかけられたことも励みにして、一塁の守備にもつきながら、豪快な1発を打ちまくるつもりだ。

 「3割20本100打点が最低限の目標。みんなから55本塁打以上を狙ってほしいと言われる。もちろん、チャンスがあれば、(日本新記録の)56本塁打以上にも挑戦していきたい」。

 MK砲と競争し合えば、本来の力を取り戻せると信じている。秋山監督は“オレ流調整”を認める方針で「カブレラをオープン戦でいつ使うかはまだ考えていない」と話した。

 「コンディションは60%くらい。向こう(ベネズエラ)で体を動かしてきたから体重もあまり変わっていない。今まで以上の力を出し切りたい」。

 どっしりと一塁ベースの上に立ち、打席では豪快なアーチを放つ。カブ砲は、打って守れる主砲を目指し、4番一塁の座を勝ち取るつもりだ。キング経験者の誰かが控えに回るかも知れない超強力打線。その中核はMKCバトルの勝者が担う。

 [2011年1月30日11時1分

 紙面から]ソーシャルブックマーク