マウスピースで喜びをかみしめる!?

 阪神鳥谷敬内野手(29)が29日、沖縄・宜野座での合同自主トレに合流。打撃練習では黒のマウスピースを装着し、フルスイングで快音を響かせた。

 「自主トレから振り込むのは振り込んできましたから。思い切り振っても違和感はありませんよ。形はともかく、今はしっかり振り込むことが大事」。

 背中にバットがぶつかるほどのフルスイング。それは約1キロもあるマスコットバットでもお構いなし。打撃投手、マシンを相手に全力で279スイングし終えると、午後からも“おかわり特打”で127スイング。鳥谷が合同自主トレ初日から406スイングすること自体異例だが、早くもフルスイングを解禁。今季へかける思い。そして仕上がりのよさを強く印象付けた。

 口元からのぞくのは、白い歯…ではなく、お歯黒?

 のような黒いマウスピース。阪神では珍しいアイテムを着用し、食いしばるようにバットを振り切った。

 「今は試している段階です。体のことも考えてね。力が劇的に強くなるというわけではなく、感覚的なもの。よければ(今後も)取り入れていく」。

 鳥谷は、キャンプでも継続使用することで、効果を確かめていくつもりだ。

 今年も1月の自主トレは、7年連続でロッテ井口道場の門をたたいた。1日約8時間にわたる強化メニューで、ストイックに体をいじめ抜いた。そこで毎年師匠と交わすシーズン目標。鳥谷も井口とともに「3割20本塁打」を掲げたが、歯を食いしばってでもクリアする意気込みだ。

 「去年はフルイニング出てないから、まずはそこをクリアしたい。毎年、いろいろなことにチャレンジしてね」。

 有言実行。今年も鳥谷は行動で、自身の思いを体現する。

 [2011年1月30日11時9分

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