ファン以外からも、異例の密着マークを受けた。日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が1月31日、キャンプ地の沖縄・名護入り。那覇空港では新庄剛志が入団した04年の倍以上となる約1100人のファンの出迎えを受けた。想像以上のフィーバーぶりに、沖縄県警は到着の様子をビデオ撮影し、映像を見守った県警本部から遠隔操作での異例の警備が実施された。12球団のキャンプは今日1日、一斉にスタートする。

 斎藤がついに沖縄へやってきた。那覇空港に集まったファンは約1100人。約20台のテレビカメラが待ち受ける異様な雰囲気の中でも周囲に流されることなく、いつも通り冷静だった。「プレッシャーは大きいですけど、たくさんの方からの応援をしっかりと受け止めて、結果を残せるようにしたいです。気持ち的にゆとりを持って、練習をやれたらいいです」と、表情を変えることなく言った。

 万が一の事態に備え、警備態勢もかつてないレベルだった。例年のキャンプイン時は10人ほどの警察官が到着ロビーの警護にあたるが、私服警官も含めて3倍となる約30人が配備された。さらに、超異例の警備手法も取られた。フィーバーの一部始終を豊見城署の警察官がビデオ撮影。その映像が沖縄県警本部に送られ、リアルタイムで監視する“遠隔警護”が行われていた。同署員は「映像は今後の資料にもします」と説明した。19日には巨人が2次キャンプのため那覇入りする。空港混雑が予想されるため、今回の映像がモデルケースとしても使われることになる。

 「不安の方が大きい」というキャンプでは、ケガをしないように“安全運転”をテーマに掲げる。ブルペン入りについても「明日(1日)はまだ投げない。1クールに1回は投げたいです。(最初は)6、7割くらいで。徐々に(体が)温まってきたら(ペースを)上げていきたいです」と、マイペースで突き進む。

 高校、大学では結果を残してきたが、プロでは未知数。「プロ相手に自分の投球が通用するのか。肌で感じたい。キャンプでは実戦も入ってくるので、投げてみてどういうふうに打ち取れるか分かれば、不安が取り除ける」。佑フィーバーの第2章が始まる。【木下大輔】

 [2011年2月1日8時49分

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