リーグ優勝は忘れろ!

 ソフトバンク秋山幸二監督(48)が1月31日、選手にゼロからの再出発を求めた。昨季は7年ぶりのリーグ優勝。日本シリーズ進出こそ逃したが、内川、細川、カブレラと大型補強に成功し、選手層はぐっと厚くなった。他球団からのマークが厳しくなることは必至。指揮官は宮崎春季キャンプでの各選手のレベルアップに期待した。

 「挑戦者?

 そうだね。もう昨年のことなんだから。西武の時もそうだったんだけど、他からエース級を当てられる。各個人がレベルアップするしかない」。

 秋山監督は現役時代、西武の黄金期に主砲として活躍。それでも例年、春季キャンプでは泥まみれになって体を鍛えあげた。近鉄野茂、オリックス星野、ロッテ伊良部、日本ハム西崎、ダイエー山内孝…各球団からぶつけられたエースを攻略し、栄光をつかみ続けた。その厳しさを今季は選手が味わう番。昨季の栄冠にすがるひまなどない。指揮官は力説した。

 「全員が(ケース打撃などの)犠牲心をもってほしい。AとB(1、2軍)の入れ替えもある。オープン戦(のオーダー)は、まったく考えていない」。

 宮崎市内の宿舎へ到着した後には約5分のミーティングを開き「勝つために何をすべきか」と自主性も訴えた。すべてを白紙として、チーム内のライバル意識をあおった。激しい競争がチームを底上げすると考えている。王者のプライドは心の奥にしまえばいい。秋山監督が現役時代、常にレベルアップを志した姿勢を、全選手に追い求めていく。

 [2011年2月1日12時23分

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