日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)の記念すべき第1歩を“妨害”する黒い影があった。中田翔内野手(21)が1月31日、羽田空港へと向かう千葉・鎌ケ谷発のチームバス出発時間に遅刻。初のキャンプインへ向かう「佑ちゃんバス」を止めさせた。

 選手が乗り込み、荷物を積み込み終わっても、中田だけが寮から出てこなかった。先輩たちを待ってバスには乗らずに外で立っていた新人たちも、出発予定の午前8時15分を過ぎ、待ち切れないとばかりに顔を見合わせながら乗り込む。その横では携帯電話を片手に慌てる球団関係者の姿。新人時代の08年、翌09年にも寝坊して球団から謹慎処分を喰らった“前科”があるだけに、バス内は一時騒然となった。

 だが、4分後に登場して周囲も「ホッ…」。冷や汗を流す中田はベルトとまだ封も開けていないネクタイを手に持ったまま、ドタバタとバスへ駆け込んだ。佑ちゃんの門出に、プロの先輩がまさかの“サプライズ演出”。それでも斎藤は「中田らしい?

 らしいというか…。自分は自分のことで精いっぱいなので」と乱されることはなかった。

 4年目の今季は阪神金本、ツインズ西岡との合同トレで体を鍛え直し、最後は初の海外トレとなるハワイで仕上げてきた。シーズンへ向けて抜かりなし…と思いきや、キャンプイン直前の“大チョンボ”。それでも飛行機にも間に合ったのでおとがめもなく「今年はやらないといけないし、やるしかない」という新シーズンへ気持ちを切り替えていた。

 [2011年2月1日12時9分

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