広島の沖縄1軍春季キャンプが1日、沖縄市野球場で始まった。新外国人のブライアン・バリントン投手(30=ロイヤルズ)は初日からブルペン入り。制球力の高さを示し、本格派の片りんを見せた。理想像は1990年代のブレーブス黄金期を支えたジョン・スモルツ氏(43)だ。伝説右腕ばりにカープを支える。

 肩が温まると本領を発揮した。20球を超えると、バリントンが正確な制球力を見せつけた。球審の手は次々とストライクをコール。チェンジアップで緩急をつけたあとは外角低めに速球をズバッと投げ込む。上背をかがめ、始動後に193センチの長身を生かして角度をつける動作からは、本格派右腕のムードを漂わせた。

 バリントン

 まだマウンドでの投球感覚は100%じゃないよ。軽い投球さ。この時期はストライクを取るのに主眼を置いている。

 この日は同僚サファテとともに、投手陣で真っ先に投球練習を実施。来日初ブルペンの30球は試運転だ。前回のブルペン投球は米国にいた10日前。ブランクはあったが、周囲に好印象を与えた。大野投手チーフコーチは「向こうでかなりやってきて(調整ペースは)早い。日本に来て『不安ですね』と言うより、気分的に悪くない」と評価した。

 他球団の007も警戒マークをつけた。中日善村スコアラーが「手足が長いから意外に遅れてくる。投げ方は違うけど、チェンジアップが良ければグライシンガーみたいになるかな」と話せば、巨人村田スコアラーも「バラついた感じはない。長身で広角もある」と評した。07年から3年連続2ケタ勝利で通算46勝の巨人グライシンガーにもダブる。関係者の証言から浮き彫りになった共通点は「制球のいい本格派右腕」という第一印象だ。

 バリントン

 アトランタが強かった頃を見ていた。マダックス、グラビン…。同じ右投手のスモルツのようになりたいんだ。

 理想像がある。一級品のスライダーを駆使し、メジャー史上初の200勝(最終的に213勝)&150セーブを達成した右腕、スモルツを目指す。昨季、メジャー初勝利を挙げたが、出番を求めて来日を決意。日本のストライクゾーンを映像で確認するなど意欲満々だ。「(統一球も)しっかり握れて投げやすい。調子は良かったね」。先発陣の強化もチームの重要課題。気力十分の新助っ人が、好発進した。【酒井俊作】

 [2011年2月2日10時54分

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