同い年のライバルに堂々と挑戦状をたたきつけた。西武涌井秀章投手(24)が6日、4年連続4回目の開幕投手に意欲をにじませた。開幕戦の相手である日本ハムは、すでにダルビッシュが開幕投手に内定。昨季は1度もなかった対決が、3月25日の札幌ドームで早くも見られそうだ。

 涌井は断言した。「(開幕について)まだ何も言われてないですよ」と前置きした上で「自主トレを始めてからずっとそこに合わせてたので、いつ言われてもいいようにしておきたい」と大役を背負う決意を口にした。そうなれば、相手はダルビッシュ1人しかいない。投げ合いたいかと聞かれたエースの答えは真っすぐだった。「そりゃもちろん。どのバッターと対戦するより、投げ合うのが一番」。過去5度の直接対決は、涌井の0勝3敗で「彼には1回も勝ってないので、開幕戦で勝てたら最高」とリベンジの青写真を描く。

 この日、投手陣の大トリとして満を持してキャンプ初のブルペンに入った。直球のみ45球の立ち投げ。最後の13球は捕手に片ひざをつかせた。「ちゃんと(軸足)1本で立ててるかとか、バランスだけ気にした」との言葉通り、左足を上げて体重をしっかり乗せてから、回転のいいボールでミットを鳴らした。途中からブルペンに顔を出した渡辺監督が「気づいたら終わってたよ」と笑うあたりが信頼の証し。開幕投手について「当然ワク(涌井)もそうだし、他のピッチャーも狙ってほしい」と明言を避けたが、本命の座は揺るがない。じっくりと牙を研ぎ、日本球界最高峰の投げ合いに備える。【亀山泰宏】

 [2011年2月7日8時15分

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