阪神ドラフト1位の榎田大樹投手(24=東京ガス)が「七色のストレート」で幻惑した。7日、フリー打撃に初登板。小宮山、野原将に62球を投げた。オール直球ながらフォームや力加減で打者の間合いを外し、安打性7本に抑えた。

 榎田

 5~8割の力で真っすぐでも緩急をつけた。多少打者も戸惑うと思う。セットの時はクイックの速さ、足(の上げ幅)を大きくして間を変えたり。普通の時も真っすぐのスピードを多少変えたりします。

 フリー打撃登板は打者の練習でもあり、一般的にストライクゾーンに直球を投げることが多い。その制約の中で、クイックモーション、足の上げ方、直球スピードの変化と3要素を組み合わせて、自在に操った。2人の右打者は振り遅れて一塁側、引っ張り過ぎて三塁側と62球中18球、全投球の29%をファウルした。

 しかも直球は手元で動く。右打者の内角はカット気味に食い込み、外角はシュート気味に逃げていった。ホームプレートをワイドに使ってコーナーをついた。

 榎田

 狙ったところにいけた。制度を高めたい。右打者もインコースに食い込んだらいやだと思う。

 対戦した野原将は「クイックしたりしていた。ストレートが動いているのがやっかいだ」と振り返った。

 上々の滑り出しを果たし、次は第3クールにシート打撃登板を予定。「今度は変化球を投げられれば」。ドラ1左腕の本領発揮はこれからだ。

 [2011年2月8日11時7分

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