疲労困憊(こんぱい)の22歳と元気いっぱいの37歳。ルーキーとベテランが対照的な姿を見せた。西武のドラフト1位の大石達也投手(22=早大)は8日、ブルペンでプロ最多の134球を投げ込んだ。持ち球すべてを披露した変化球は合格点をもらったが、課題はやはりスタミナ。第2クール最終日で疲労が蓄積し、90球を超えたあたりで渡辺監督から「力を抜け」とアドバイスが入り、受けた銀仁朗も「100球近くで球の力が落ちた」と指摘。11日のフリー打撃登板予定を伝えられた右腕も「ブルペンで100球は、大学のキャンプ以来(約1年ぶり)。投げ込んで慣れるしかない」と、痛感した様子だった。

 何とか100球の壁を越えた大石に対し、石井一久投手(37)は205球の大熱投。今キャンプ投手陣最多の球数で“お手本”を示した。クイックモーションを入念にチェックし、早くも実戦モード。それでも「走者を背負ってからの方がやることが多い。ハイペースでもないです」とサラリと言った。石井丈1軍投手コーチは2人の違いについて「一久は無駄な動きが少なく、球数を多く投げるコツを知ってる」と解説。エース涌井だけではない。西武投手陣は、新人にとっての教科書であふれている。【亀山泰宏】

 [2011年2月9日7時27分

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