今年は本物だ。日本ハム中田翔内野手(21)が12日、今季初の対外試合となる広島との練習試合(沖縄市営)に4番一塁で出場し、2打席連続本塁打の大暴れをした。新人だった08年以降、対外試合初戦では4年のうち3度目の柵越えと“持ってる”男ぶりを発揮したが、2発は初めて。

 フリー打撃から実戦に舞台を変えても、中田はホームランショーを演じた。広島戦で2打席連続の1発。「脇を締めてしっかり振り切ることができました。1球1球(打撃フォームを)意識しながら振ることができた」。対外試合では12球団第1号となった。

 どちらも甘く入った直球を見逃さなかった。4回は左腕・青木からバックスクリーン、6回には右腕・今井の高めを左翼席へ放り込んだ。「今はいろいろな面を考えて、実行できています」。脇を締めて体の開きを抑える新打撃フォーム。10日には打撃投手を務めた注目ルーキー斎藤から柵越えを7本放ったが、他球団の投手に対しても、普段通りの取り組みを実践できたことに価値があった。

 稲葉、小谷野、ホフパワーら主力が欠場しているために4番を任された。梨田監督は期待を込めて注文をつけた。「状況判断がしっかりできて、打点が挙げられるようになればいい」。3回1死二、三塁で、浅い中飛で走者をかえせなかった場面を指摘した。中田も「情けない。レベルの低い打撃をしました。(本塁打を)打ったことより、あそこを反省して、2度と同じことをしないようにしたい」と悔しがった。

 今日13日の韓国サムスン戦(名護)では、実戦デビューする斎藤を援護したい。「この調子が続くとは思わないし、崩れたときに粘り強くやれるかが大事。調子の波が激しい打者にはなりたくない」。主軸で打ち続けるために、喜んでいるひまはない。【本間翼】

 [2011年2月13日9時8分

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