左膝手術から復活を目指す阪神城島健司捕手(34)が3日、自慢のジョー・レーザーを解禁した。甲子園残留組の練習。昨年10月のCS巨人戦以来となる捕手のポジションに就いた。投手役からの白球をつかむや、右肩がうなりを上げた。

 「一塁ベース、二塁ベースとの距離を確認しておかないといけないからね」。

 立ったままの捕球、送球だったが、矢のごとく低い弾道が二塁手のグラブをたたいた。何度も二盗を阻み、けん制でも刺した鬼肩は健在だ。膝への影響は見えず10球全部がキレあるストライク。レーザーは一塁にも12回速射し、乾いたミット音を甲子園に響かせた。

 思わぬ課題も発見した。統一球だ。「きちっと捕れたら問題ないけど(握り損ねて指を)縫い目に掛け切れなかったら変化してしまう」。縫い目が低く、滑るとされる。「(普段でも)試合中(の送球時に)しっかり握れることはほとんどない。メジャー球とも違う。しっかりイメージしておかないと」。開幕までの3週間で対策を練る。

 2日連続の屋外フリー打撃では、左翼へ今季1号の柵越えも放った。その瞬間、ド派手なガッツポーズも出た。51振の大半が強振で、左翼守備に就いた金本の頭上越えなど長打性も連発。また、座って2度目のブルペン捕球ではドラ1榎田と初バッテリーを結成。上下左右の変化球にも対応するなど膝の状態は良好だ。

 9日楽天戦からの甲子園4試合ではDHなど打撃からの初出場が予定される。初マスクも早ければ12日の中日戦からかぶる。いよいよ実戦へのカウントダウンが始まった。【松井清員】