47発男は準備OKだ。阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)が17日、オリックスとの実戦形式の合同練習(甲子園)で特大の“11年1号”をたたき込んだ。怪力助っ人だけでなく、2回には林威助外野手(32)、俊介外野手(23)が連続アーチ。オープン戦序盤は鳴りを潜めていた猛虎打線が4-3と勝利し、いよいよ開幕に照準を合わせてきた。

 あまりにも順調にステップを踏んでいる。開幕まで、タイムリミットはあとわずか。昨季47本塁打のブラゼルがきっちり状態を上げてきた。強振したバットが白球をたたく。懐かしい快音が聖地に響く。誰もいない右翼席に打球が跳ねる。準備はOKだ。

 ブラゼル

 とりあえず1本出た。シーズンに向けて準備できたかなと思う。これを常に続けて、良い方向に向けてやっていきたい。いつ開幕を迎えても良いようにやっていきたい。

 5回2死。待ちに待った1発だ。カウント2-2からオリックス西の内角144キロ直球を完璧にとらえた。打った瞬間、分かる1打。ボールは軽々と右翼フェンスを越えた。紅白戦、オープン戦、実戦形式の合同練習も含め、ついに“11年1号”を披露した。

 オープン戦は打率4割1分2厘。前日16日に行われたオリックスとの実戦形式の合同練習でも3打数3安打。好調をキープしながら、代名詞の1発が出なかったのには訳がある。オープン戦序盤は軽打でミートを心掛け、徐々にスイングの強さを上げていく。自ら立てた計画を地道に実行しているだけだ。この日はマルチ安打を記録。シーズンインに向け、準備にぬかりはない。

 東日本大震災を受けて、横浜や西武では外国人選手の一時帰国が相次いでいる。だが、ブラゼルは開幕まで日本で練習を続ける意向だ。「自分たちは安全な場所にいるし、タイガースがサポートしてくれると信じている。今のところ、帰るつもりはないよ」。冷静に準備を進めていく。