“仮想開幕戦”でエースが実戦マウンドに帰ってくる。日本ハムのダルビッシュ有投手(24)が今日23日、札幌ドームで行われる西武との試合形式の合同練習に先発する。登板を前日に控えた22日、ダルビッシュは札幌市内の室内練習場でストレッチや軽いキャッチボールなどを約45分行い練習を終了した。

 20日ぶりのマウンドとなる。3日のヤクルトとのオープン戦(札幌ドーム)で右肘に違和感をおぼえたため、大事を取って10日中日戦(岐阜)の登板を回避。その後、18日のロッテ戦(QVC)で復帰する見通しだったが、東日本大震災で試合が中止に。調整に大幅な狂いが生じていた。

 中19日での先発に「楽しみというか、久々の登板なのでしっかり投げられるかですね」。腰痛で出遅れていた女房役の鶴岡も復帰しており、4月12日の開幕戦(西武ドーム)の相手である西武との前哨戦で、ダルビッシュ-鶴岡の黄金バッテリーが久々に実現することになりそうだ。

 右肘の状態について本人は「大丈夫です」ときっぱり。梨田監督は「ブルペンでの状態はいいと報告を受けている」とまったく心配はしていない様子だ。第2の故郷とも言える東北地方を襲った悲劇に心を痛めていた球界のエースは「開幕したら自分たちがしっかりプレーを見せる番。精いっぱいのことをして、被災者の方々やそれ以外の方々にも力を与えられるように頑張りたい」。まずは開幕戦の行方を占う試合でマウンドに立つ。【中島宙恵】