あえて嫌われる!

 ソフトバンク細川亨捕手(31=西武)は投手陣に厳しいことをズバズバ言う。FA加入し、まずはコミュニケーションを深めていたが、これからは遠慮なく弱点を指摘する。西武時代に涌井、岸らの成長に一役買った名捕手が、4月12日のパ・リーグ開幕に向け悪役となる。

 体重102キロの大柄ヒールが、タカ投手陣を底上げする。移籍1年目の細川が悪役に徹すると宣言した。

 キャンプ、実戦でほぼ全投手の球を受け、特徴はつかんだ。これからはあえて嫌われ者となり、遠慮なく投手の弱点を指摘していく。時にはしかりとばすこともいとわない。

 「そこを遠慮してはダメ。捕手が嫌われることを怖がっていたら、意味がない。言うべきことをどんどん言っていきますよ」。

 これまで試合前には「どんな球を投げたいんだ」と必ず聞き、試したいことを把握してリードしていた。これからはシーズンに向けた最終段階。投手が気持ち良く投げるだけでは課題を修正できない。だから、あえて欠点をきつく言ってて、さらに実力を引き出すつもりだ。

 西武時代は涌井、岸らをローテーション級に成長させた。特に未完成な若手投手には言いたいことを言ってきた。時には衝突もした。しかりとばした相手がふてくされた態度をとったこともある。だが、自分の信念は曲げない。本人のため、チームのためになるからこそ、主張は曲げない。

 8日巨人戦で少し乱調だった守護神馬原には「直球くらいちゃんと投げろって言っておかないと」とズバリと指摘していた。弟分のようにかわいがる摂津は18イニング無失点と好投を続けるが「具体的には言えないけど、課題はある」と言う。開幕ローテ入りが有力視される若手の山田、岩崎にはこれから、さらに耳の痛いヒール役を演じる。

 青森県出身で東北地方の被災状況には心を痛めている。募金活動を行った時は「ファンの協力的な姿勢に涙が出そうになった」という心優しい男だ。社会人時代を仙台市内で過ごした摂津には「本当につらいと思う」と気遣っている。だがグラウンドに出れば、チームのために全力を尽くすだけ。FA捕手がガミガミ言いまくり、タカを投手王国にする。【奈島宏樹】