誰もいない札幌ドームで、35打席ぶりの快音を響かせた。日本ハム中田翔内野手(21)が23日、無観客試合として行われた西武との実戦形式の合同練習(札幌ドーム)で9回に西武長田から左中間スタンドへサヨナラ本塁打を放った。3日のヤクルト戦以来となる1発。初球の直球を空振りした直後、115キロスライダーを一振りした。

 読み通りだった。「フルスイングで空振りしていたので(次は)変化球しかないだろうなと思った」。実戦形式の合同練習のため、試合を決める一打にもベンチから駆け寄る選手はなし。無観客のためスタンドもシーン。「(ベンチに)戻ったらすぐにミーティングだったし…」と苦笑いを浮かべたが、復調のきっかけをつかむアーチになった。

 3月に入って当たりが止まると、打撃フォームも試行錯誤した。キャンプ中からの取り組みである脇を締めるという課題は継続しながら、ステップする歩幅を縮め、バットのトップの位置を変えた。「インパクトだけを強く心掛けています。いい形で打てました」。4月12日に延期された開幕へ向け、再び調子は上昇カーブを描いてきた。

 梨田監督も「どん底に落ちたけど、少しずつ手応えを感じているところだと思う」と評価。大歓声を浴びるのは、公式戦まで取っておく。【本間翼】