セ・リーグが、パ・リーグに足並みをそろえて4月12日に同時開幕することになった。セ臨時理事会が24日、都内で開かれ、29日に決めていた開幕日を再延期して、パと同じ4月12日に変更することが決まった。
選手会の主張が通った。労組プロ野球選手会会長の阪神新井貴浩内野手(34)が、万感の涙を浮かべた。遠征先の広島市内のホテルで4月12日のセ・パ同時開幕の決定を受けて会見し、両リーグに感謝した上で「12球団が同じスタートラインに立てた」と喜んだ。8日間で5度という執念の開幕延期要望が実を結んだ。
新井は、両目を赤く染めて宙を見つめた。15日に最初の延期要望を出してから10日目の決着。多忙だった期間の感想を求められて、8秒間沈黙。そして言葉につまりながら話し始めた。
新井
被災者の方々のことを思うと…。僕のことは何ともないことだと思います。まあ、あの、いろいろありましたけど、これからは12球団の選手とセ・パ両リーグの方、また野球に携わるすべての方々と協力して、前へ進んでいきたい。
野球界一体を求める執念だった。8日間で5度の延期要望を出して、22日には省庁で蓮舫節電啓発担当相らに直談判。「セ・リーグも、パ・リーグもないんですよ!
12球団なんですよ」と声も荒らげた。再三にわたる12球団への聞き取り、事務局との打ち合わせ。携帯電話のバッテリーが気になる日々。「常に充電…、どこでも充電」と疲れた表情だった。深夜になって翌朝の練習開始時間に気がつく時もあった。この日の決定は、選手会の要望を全面的に受け入れた形だ。
新井
選手会の声、ファンの声が届いたんじゃないかと。セ・パ両リーグともすごく大きな決断だったと思う。感謝します。これから12球団が同じスタートラインに立てた。4月12日の開幕に向かって、しっかりやっていくということです。
ただ要求するだけではなかった。球団経営の観点を配慮して、全日程消化に協力する姿勢を打ち出した。統一契約書は11月30日が期限となっており、12月以降のプレーは契約の外。新井は選手に負担を強いる全日程消化に向けて、2度にわたる意思確認を行った。
新井
選手会の総意。万が一、12月になってもやり抜く覚悟が選手会にある。144試合、クライマックスシリーズ、日本シリーズを絶対にやり遂げる。
セ、パが同条件で行われる11年シーズン。
新井
僕たちプロ野球選手ができること、やらなければいけないこと、というのは真剣に野球をする姿を見せることだと思っています。真剣に野球をすることによって、少しでも被災者の方々に勇気をもってもらえるように、笑顔になってもらえるように、頑張っていきたいと思います。
最後は強い口調で会見を締めくくった。【益田一弘】



