被災者のために敵地でも“細川シート”を-。ソフトバンク細川亨捕手(31)が25日、東日本大震災の被災者を首都圏などの試合に招待することを明かした。青森県出身で支援物資などを送ってきたが、シーズン中は移動なども考慮し、東日本での試合に被災者を招待することを検討している。

 グラウンドでは投手のことを、グラウンド外では相手のことを第一に考える細川らしい支援プランだ。

 「本当はこっち(福岡)に招待したいんですけど、まだ向こうはそれどころではないと思うので。例えば交流戦の東京での試合とかなら招待しやすいと思う」。

 根底にあるのは、やさしさだ。本拠地の数席を買い取り「○○シート」をつくる選手は珍しくないが、敵地に招待するのは異例。いまだ日常生活もおぼつかない東北からの移動を考え、導き出した答えが“ビジターシート”計画だった。

 4月29日からの開催を目指すKスタ宮城や、福岡と比べて移動しやすい首都圏での試合に被災者を招待する考え。東北に住む知人などと相談し、具体的な内容をつめていく。現段階では、6月29日のKスタ宮城での今季初戦やその前日の東京ドームでの楽天戦に被災者を招待することが濃厚だ。さらには古巣の西武ドームやQVCマリンフィールド、交流戦での首都圏(東京ドーム、神宮、横浜)での招待を考えている。

 19日から2日間本拠地で募金活動を行った時は「涙が出そうになった」と話した。青森の実家も被災。遠く離れていることで、当初は不安も計り知れなかったが、今は移籍してきたことをプラスにとらえ被災者のために動いている。

 「こっち(福岡)に来たおかげで、物もいっぱい送れる。知人からは、お前がそっちにいるおかげで本当に助かると言われる」。

 これまでも知人との電話で不足しているものを聞き、オムツや水などを被災地へ送ってきた。

 「1番足りないのはタンクローリーらしい。この間は、頼むからタンクローリーを送ってくれ、と言われた。少しずつそんな冗談も出てきているし、明るさも戻ってきていると思う」。

 徐々にではあるが明るさを取り戻しつつある被災地の人々を、球場で細川がさらに明るく元気にするはずだ。