労組プロ野球選手会の会長として「開幕問題」に取り組んできた阪神新井貴浩内野手(34)が26日、異例の過密日程にも負けず、全144試合フルイニング出場を目指すことを誓った。疲れはあるが、開幕までの実戦にも皆勤予定とパワフルだ。重荷を下ろした選手会長の戦いはグラウンドに場所を移す。
表情にはゆとりが戻ってきた。緊張感のある話題が何日も続いた影響で「どうしてもこういう(硬い)話し方になっちゃう」と笑わせた。これからは選手・新井貴浩の顔に戻り、思う存分、情熱をグラウンドに注ぐことができる。
開幕延期で過密日程の可能性が高い異例のシーズン。新井の気持ちは固まっている。長期連戦やダブルヘッダーの可能性が出てきたことを受け、あらためてスタンスを聞かれるとキッパリと言い切った。
「自分の中でそれは目標としてやっている。でも、いつも言っていることだけど、作戦面ではお任せしていますから」。
2年連続で全試合フルイニング出場を果たしている虎の主砲。今年も「フルイニング」を前提としてシーズンに臨むのは当然と言わんばかりだ。試合展開によっては首脳陣に肉体的疲労を考慮される可能性もあるが、常にグラウンドに立ち続ける気構えは変わっていない。
もちろん、個人の「記録」をベンチの足かせにするつもりなど一切ない。試合終盤の代走などでベンチに下がる必要がある場合はそれに従うのみ、だ。
12球団オーナー会議が行われているちょうどそのころ、甲子園の室内練習場で全体練習に参加。開幕問題の影響で、実戦24打席無安打の不振に陥っており、必死に修正に取り組んだ。心身の疲れや感覚の狂いは確かにある。
帰り際、伊藤トレーニングコーチに「もう入れないよ」と練習場を“封鎖”された。和田打撃コーチも「しっかり休んで、明後日からガンガンやってもらう」と強制休養を指令。新井は「気を使ってもらっています。しっかり休んで明後日からまた上げていきたい」と気づかいに感謝した。
開幕前に身を削って大仕事をこなした。29日から再開される実戦にも「その予定です」と全試合出場を志願する。野球人・新井には長い1年を全力で走りきるという責務がまだ残っている。【柏原誠】



