<慈善試合:中日6-3巨人>◇3日◇ナゴヤドーム

 中日トニ・ブランコ内野手(30)が巨人戦で2打席連続アーチを含む3安打3打点と暴れ回った。慈善試合で、愛する日本の復興を願う大活躍。過去2年で14本塁打、37打点をマークしている巨人相手に相性の良さを発揮した。恐怖の6番打者が今年も宿敵を震え上がらせる。

 これぞプロ野球だ。ブランコが慈善試合に集まった1万5619人のファンを魅了した。4回に巨人グライシンガーの直球を左翼席に運ぶと、6回にも新外国人アルバラデホから豪快にライナー気味の打球を放ち、バックスクリーン左横に突き刺した。8回には2死一塁から右中間を破る適時二塁打をマークした。

 3月中旬に左手親指を痛めた。復帰後は3試合で10打数1安打と苦しんでいた。そんな心配も払拭(ふっしょく)。試合後のお立ち台こそなかったが、主役は間違いなくこの男だった。

 ブランコ

 今日はいい日だったね。良い感じだよ。一生懸命練習しているからね。(左手親指は)まだちょっと気になるけど、言い訳せずにしっかりやっていくよ。

 今年も宿敵を相手に大暴れしそうな予感だ。巨人には来日した09年から2年間で14本塁打、37打点と抜群の相性を誇っている。1本目の本塁打を放ったグライシンガーは2年間で15打数8安打、4本塁打と「かも」にしている。

 ブランコ

 アメリカでいうとヤンキースみたいなチーム。いいチームと対戦して結果を残せるということはうれしい。シーズンでも結果が残せるように頑張りたい。

 日本への愛情は深い。他球団で母国に戻る外国人選手もいたが、日本を離れるつもりはない。それどころか4月末にはドミニカ共和国にいる家族を日本に呼び寄せる。きまじめなドミニカンはプレーで被災地のファンを勇気づけようと必死だ。

 ブランコ

 被災された方に元気になってもらいたい。僕たちは日本で仕事をさせてもらっている。日本は野球をするチャンスを与えてくれた国なんだ。自分たちにできることは元気づけることだから。

 09年に本塁打、打点の2冠に輝いたが、昨季は打撃3部門とも前年を下回った。2年契約の最終年。ハングリー精神むき出しで臨む今季に特別な思いが加わった。豪快なアーチがわずかでも復興の手助けになると信じている。【桝井聡】