<日本ハム3-1巨人>◇20日◇札幌ドーム

 日本ハム中田翔内野手(22)のパワーが、あらためて証明された。4回、巨人東野の直球をはじき返すと、打球は左翼へ高々と舞い上がり天井の最高部(地上から68メートル)付近に直撃。垂直に落下してくるボールは、遊撃手坂本のグラブをかすめてフェアゾーンへ落ち、二塁打となった。

 「ボールはしっかりととらえていたので、あそこまで高く上がったんだと思う」。札幌ドームのグラウンドルールでは、外野後方にある照明から、3枚分の天井パネルまでは「認定本塁打」となる。だが、それ以外は直撃してもインプレー。過去にはカブレラやセギノールが天井直撃弾を放ったことはあるが、日本人となると超異例の出来事で、札幌ドームの関係者は「えっ、当たったの!?」と仰天。「ウチに残っている記録では、日本人選手が当てたというのはありません。記憶にもないですよ」と目を丸くした。

 中田の手には最高の感触が残っていた。「手応えは完璧でした。当たらなかったら?

 どうですかね~」。角度的にオーバーフェンスは難しそうにも見えたが、梨田監督には「(スタンドに)入ったと思った」と漏らしていたという。果たして損したのか、得したのか…。その結末は神のみぞ知るところだが、規格外のパワーが、相手投手の脅威であることだけは、神様でなくても知っている。【本間翼】