広島が10連敗の非常事態に動いた。6日、松田オーナーが野村謙二郎監督(44)と緊急のトップ会談を行い、助っ人野手の緊急補強を検討することになった。

 球団はすでに右打ちの外野手を5、6人程度リストアップ。いずれも中距離打者タイプだが、貧打解消の打開策として、新戦力発掘に全力を注ぐ。

 松田オーナーは「いまの雰囲気を壊してくれる選手がいればいい。わが道を行く選手が1人くらいいてもいい」と言う。真面目なタイプの選手が多いチームカラーだけに“破天荒”な助っ人を求める。

 緊急会談はソフトバンク戦の試合前練習中だった。マツダスタジアム内で約15分間、今後の方向性や補強に乗り出すフロントの方針を説明した。

 開幕から4番を務めてきた新外国人のトレーシーが「鼠径(そけい)部痛症候群」のため2軍に降格。貧打が大型連敗の大きな要因だったが、同オーナーはトレーシーの状態を指揮官に確認。「(開幕当初)打線は大丈夫だと言っていたけど、そういう状況じゃない。いい選手(外国人)をとれるか分からないけどトライするということ。緊急性はある」と説明した。

 この日は先発福井が崩れて大敗。99年以来、12年ぶりに10連敗を喫し、浮上のきっかけを補強に見いだす構えだ。セ・リーグのチームが交流戦で10連敗したのも史上初。同オーナーは「今年はシーズンが長い。あまり悲観していない」と話した。残り102試合。カープフロントが手を尽くす。【酒井俊作】