<楽天1-0ソフトバンク>◇13日◇Kスタ宮城

 楽天が球団史上2度目の“スミ1”勝利を完成させた。初回に挙げた1点を、5投手で死守。2度の2死満塁ピンチをしのいでの0封勝ちに、星野仙一監督(64)は「長い監督生活で“スミ1”で勝ったのは、あまり記憶にない。小山以外のリリーフ陣が完璧だった」。チクリこそあったが、珍しい勝利に珍しくご機嫌だった。

 岩隈、永井らの離脱に、正捕手の嶋が右脇腹痛で2戦連続欠場。窮地で投手陣が意地を見せた。中3日で先発した井坂が、6回2死満塁で片山が、7回2死満塁で青山が踏ん張った。特に青山は4番小久保に3ボール1ストライクと不利な状況で「四球を出すよりは、直球を真ん中に。気持ちでいきました」。今年、投手キャプテンに任命された右腕が、二飛に打ち取り、ピンチを断った。

 前回の“スミ1”は06年9月22日の西武戦(フルスタ宮城)。当時、唯一の適時打を放った高須が、この日も初回に打った。「来た球をたまたま打っただけ」ととぼけたが、変わらぬ勝負強さで5年ぶり勝利の立役者となった。「うちはこういう勝ち方をしていかないとな」と星野監督。少ない点差を、耐えて守り抜く。楽天の究極の勝ち方が“スミ1”だ。【柴田猛夫】