<日本ハム1-0西武>◇17日◇札幌ドーム

 日本ハムのドラフト1位、斎藤佑樹投手(23)が、4月24日楽天戦(ほっともっと神戸)以来、約3カ月ぶりとなる3勝目を挙げた。西武11回戦で今季7度目の先発マウンドに立ち、直球を軸にした投球で5回を4安打無失点に抑えた。チームは今季13度目の完封勝利で4連勝。貯金をリーグ制覇した09年最終成績と同じ22とし、5月16日以来となる単独首位に立った。

 こわばっていた表情が、ピンチを切り抜け一気に和らいだ。1回1死から2四球と単打で満塁に。だが「今日はバッターに対して集中できていた」。今季10本塁打を放っているフェルナンデスへの初球だった。外角いっぱいに投げ込んだ直球は、プロ入り後、自己最速となる145キロをマーク。厄介な強打者を遊飛に打ち取り、続く坂田を二ゴロに仕留め「ホッとした」。心が楽になった。

 直球でカウントを整えて、変化球で仕留める。「真っすぐを押し込む気持ちで投げることができた。今日は指にかかっていた」。これまで危機感をもって取り組んできた直球の精度アップ。7度目の先発で、ようやくプロで通用するための“自分なりの直球”が見えてきた。

 左脇腹痛から復帰後は2連敗。どうしても白星で前半戦最後の登板を締めくくりたかった。2軍調整中は「1軍に戻れるのかなという気持ちと、必ずまた勝利を挙げようという気持ちだった」。2軍戦で復帰登板を果たした後、早大時代の盟友、西武の大石と、都内にある大学時代からのなじみの店で会食した。「汗をかくことと、痩せることは違う」。普段は野球の話をほとんどしない斎藤が、自身が取り組んでいた減量について熱っぽく語る姿は、親友を大いに驚かせた。

 1点差での5回降板は、ベンチの信頼が足りない証しでもある。梨田監督は交代理由について「四球を出して球数が多くなった。内容的にはもうひとつ」と説明した。それでも「(観客動員)100万人突破の試合で投げて、勝つんだから、“もってる”と思う」と話していた。

 斎藤も、その点は十分に分かっている。「5回で97球も投げたので、そこは反省。9回を投げきれるようになりたい」。課題を持って、次のステップへ。今日18日に出場選手登録を外れ、初めての球宴、そして後半戦に備える。【中島宙恵】