<横浜2-2ヤクルト>◇18日◇横浜スタジアム

 土壇場での集中打が、ヤクルトを救った。9回、先頭の宮本慎也内野手(40)が右前打で出塁すると、続く川端慎吾内野手(23)は初球をバスターエンドラン。一、三塁と広がったチャンスに、相川亮二捕手(35)が、また初球打ち。中前適時打で同点に追いついた。横浜の守護神山口から、わずか5球で1点をもぎとり、3連敗を免れた。

 日本中がなでしこジャパンの世界一を祝福する中、この快挙からスポーツ紙の1面を奪うにはどんなことがあるか。試合前、宮本はあえて考えた。「200メートル打球を飛ばしてもダメだろう」。なでしこには勝てないまでも、横浜に負けるわけにはいかなかった。最後の攻撃で、切り込み隊長として、最高の仕事をしてみせた。

 とらえた直球の感触をネクストバッターズサークルに向かおうとしていた相川に耳打ちした。相川は「宮本さんからは直球がどれぐらい来てるかを聞きました。いい時の山口は前に飛ばない。とにかく前に飛ばそうと、積極的にいくつもりでした」と振り返った。

 同点どまりとなったが、今年のヤクルトの特徴でもあるしぶとさを発揮できた。小川監督も「前回も今日も須田くんに抑えられている。そういう意味でもよく追いついた」とホッとした表情。ベテラン組の奮闘に拍手を送った。【竹内智信】