<ヤクルト6-2阪神>◇10日◇神宮
ヤクルトが「打倒・久保」を合言葉に、一致団結した。09年から9連敗していた右腕を4回途中でKOし、5連勝を飾った。3回に川端慎吾内野手(23)が放った3号先制3ラン。さらには青木宣親外野手(29)も久保からの2安打を含む猛打賞と活躍。今季、久保に無安打と苦しめられていた打者が次々と奮起した。阪神との対戦成績は5勝10敗と分が悪い相手だが、勝負どころでの2連勝。苦手意識も払拭(ふっしょく)し、Vへと突っ走る。
ようやく天敵を退治したナインを、小川淳司監督(54)がねぎらいの笑顔で出迎えた。「久保に対しての思いがあふれていた試合。何とかしようという気持ちが出ていた」と気迫をたたえた。今季4戦全敗。09年から9連敗。ここ何年か、阪神を苦手にせざるを得なかった元凶ともいえる存在を、4回途中で早々とKOした。
いいように“カモ”にされてきた打者が奮起した。3回に先制3ランを放った川端は、試合前まで今季12打数無安打。「青木さん、畠山さん、僕と、抑えられている打者は(投手側の)足を上げる人が多かった」と久保対策のために、前日からすり足気味にして打撃練習した。3回1死二、三塁。3ボール1ストライクと有利なカウントで、落ちない変化球を力強く捉え「入るとは思わなかった」と喜びもひとしおだった。
伊勢総合コーチは、難敵をこう分析していた。「かつての稲尾、江夏のように、打者を見てタイミングを外して投げられる数少ないタイプ。選手には、一晩寝ずに考えてこいと言っておいた」。久保は球界屈指のクイック技術を持つ。走者がいる場合、1本足で立つ時間が長い打者ほどタイミングをずらされ、チャンスはつくっても得点できない悪循環だった。川端は「足を上げれば、振り遅れる」と始動を早め、完璧にタイミングを合わせた。
各自に工夫の跡がうかがえた。青木は左足を高く上げる打法は変えず、意識を変えた2安打で流れを呼び込んだ。久保には昨年から22打席無安打だっただけに「ここ最近は状態が悪かったので、修正して積極的にいった。阪神に勝ったというか、久保さんに勝った印象。相当負けてましたからね」とほおを緩めた。1回、3回といずれも初球をたたいて右前打。この5連勝中は24打数11安打で4割5分8厘と、打線のキーマンも調子を上げてきた。
阪神戦はこのカード前まで3勝10敗だったが、本拠地で連勝して挽回。8月に1度は失速しかけたが、天敵退治で苦手意識も吹き飛ばし、再び独走態勢に入った。【柴田猛夫】



