<ソフトバンク7-2西武>◇13日◇福岡ヤフードーム

 偉業を刻む1勝だ。ソフトバンクのデニス・ホールトン投手(32)が、今季15勝目をマークした。西武打線を相手に、7回1/3を投げわずか2安打2失点。助っ人のシーズン15勝は、ホークス史上、南海時代の64年スタンカ(26勝)以来。ほぼ半世紀ぶりの快挙を果たした。2位日本ハムとのゲーム差は7のままだが、明日15日にも優勝マジック17が点灯する。

 シビれる1球だった。勝ち頭の自信か、優勝への熱い思いか。ホールトンが、西武中村への勝負球に選んだのは、内角への直球だった。4点リードの6回裏。2死一、二塁で、リーグ本塁打王を打席に迎えた。外角へ5球スライダーを続け、フルカウント。勝負の6球目。内角いっぱいへ、ズバッと139キロの直球を投げ込んだ。中村はバットを出すことすらできず、天を仰いだ。

 2回の逆転後、唯一といっていいピンチをしのいだ右腕は、15勝目を確信したかのようにマウンドをゆっくりと降りた。

 ホールトン

 3ランを打たれたら1点差。インコース、アウトコースへきっちり投げようと思った。(西武は)とにかくクリーンアップにいい打者がそろっている。気をつけて投げようと思って(狙いが)はまった。

 本塁打キングへのリベンジにもなった。自身の登板はなかったが敵地で行われた前回の3連戦は、中村に3試合連発を浴びチームは負け越し。内角をつけなかったことが、原因の1つだった。この日は初回にも内角直球で空振り三振。外角への鋭いスライダーをうまくつかったことで、勝負どころでの内角攻めが生きた。今季はエース杉内に魔球スライダーの握り方を教わり、それをマスター。研究熱心な姿勢が、15勝という数字に表れている。

 球団の外国人投手では47年ぶり、リーグでも8人目のシーズン15勝は、チームメートへの思いやりが生んだ。初回に2点を先制されたが、2回表はわずか7球で3者凡退。直後の2回裏に味方打線が4点を奪い逆転すると、その後もテンポのいい投球で5回まで4イニング連続で3者凡退を続けた。

 ホールトン

 とにかくリズムよく、味方が守っている時間を短くすることだけを考えている。その方が攻撃にもリズムが出ると思うから。

 今季の登板試合は、味方打線に1試合平均4・19点の援護をもらっている。ダルビッシュに1勝差と迫り、球団の外国人では史上初となる最多勝も射程内に入った。頼もしい助っ投が、チームに連覇をもたらす。【倉成孝史】