阪神真弓明信監督(58)が来季の続投要請を受諾したことが、20日に分かった。2年契約の1年目となる今季は、故障者や打線の低迷で苦戦が強いられた。自力優勝の可能性は消滅しているが、球団側は引き続き指揮を任せる方針を固めていた。真弓監督は自らの意思を球団に伝え、就任4年目のシーズンを迎えることが決定した。

 真弓監督が就任4年目のシーズンに臨む決意を固めた。この日までに球団側に来季も指揮を執る意向を伝えた。近い関係者に「来年もやる」と話しており、指揮官としての情熱は失っていない。これで来季の続投が決定。近く自らの態度を表すことになる。すでに続投を前提に球団と会議を重ねている。今後は来季のチーム編成やコーチスタッフの見直しなど細部を詰めていく。

 今季は城島の離脱など故障者が相次いだ。統一球による打線低迷もあり、一時は最下位に沈むなど苦戦が続いた。昨年オフに2年契約を結び直したが、人気球団の監督は1年1年が勝負の年。南球団社長は「(続投は)既定路線。そのつもりでやっている」と球団の方針を固めていた。クライマックスシリーズ進出を逃した場合でも方針は変わらないが、指揮官は自らの心中を明らかにしていなかった。

 球団側はチームの端境期という難局を引き続き、真弓阪神で戦うことになる。金本ら主力選手の高齢化が進み、就任以来、若返りもひとつの課題として向き合ってきた。今年は柴田や上本、森田ら1軍で結果を残す若手が目立ち始めた。失敗してもチャンスを与え粘り強く指導を続ける。そんなスタイルが浸透しつつある。

 もちろん、若手育成だけでなく、球団からは優勝という結果も求められている。首位ヤクルトに9ゲーム差をつけられ、逆転優勝は厳しい現状だ。それでも真弓監督は「目標は一緒だ」と最後まであきらめない姿勢を貫いている。Aクラスに食い込めば、クライマックスシリーズから日本一という道のりもまだ消えていない。

 この日は広島戦が雨天中止。練習開始から約1時間以上もスタジアム内の打撃練習場にこもって、各選手のバッティングの状態を確認した。帰りの通路では巨人戦で仕切り直しか、と質問されて「はい、頑張ります」と短く答えた。23日からは本拠地で巨人3連戦に臨む。来季への決意は固めたが、まだ残り29試合ある。今はシーズンに集中し、最後まで優勝を目指す。