首位ヤクルトは台風をも追い風にする。21日の広島戦(神宮)は、台風15号の影響で試合開始7時間前の午前11時に早々と中止が決定した。9連戦中のど真ん中で、ローテーションの谷間でもあったためチームにとっては好材料。優勝マジック点灯の可能性がある、22日からの中日4連戦(ナゴヤドーム)を前にひと息入れ、満を持して2位との直接対決に向かう。

 想定内の中止に慌てる必要はなかった。決定が午前11時と早かったため、神宮室内で行われた練習を宮本や外国人選手は免除され、青木、畠山らも軽めの調整で引き揚げた。傘を差しながら空を見上げた小川淳司監督(54)は「恵みの雨になればいいけどね」とあくまで落ち着いていた。

 厄介な台風も日程の上では味方となった。由規が右肩の張りで戦列を離れており、投手のローテーションは苦しいところ。9連戦の真ん中に当たるこの日は加藤が登録即先発予定だった。だがこの日の中止で谷間は吹き飛び、館山、石川、増渕、赤川を立てる今日22日からの中日4連戦へ普段通りに向かえることになった。

 中継ぎ陣にもいい休養となる。20日までの4連戦で投手19人を起用したが、僅差のロースコア試合が予想される中日戦では惜しげもなく投手をつぎ込まなければならない。小川監督は「なかなか点が取れないと思う。投手中心ということは変わりない」と厳しいディフェンス合戦への覚悟を示した。この日の「休養」で総力戦への態勢も整った。

 中日と4・5ゲーム差で敵地に乗り込む。4連戦で勝ち越せば優勝へ大きく近づき、マジックが点灯する可能性もある。だが万が一、4連敗となれば一気に0・5ゲーム差に迫られる。「何とか2つ勝てれば」と小川監督は控えめながら、「9連勝の反動か調子を落としている選手もいる。相性なども考えて決断していかないと。消極的になってはいけない」と積極采配への意欲を示した。【大塚仁】