<横浜3-4ヤクルト>◇2日◇横浜

 首位ヤクルトは、小川淳司監督(54)が動いて踏みとどまった。最下位横浜相手の3連敗を何としても避けたかった試合で、合計9人の選手を1、2軍で入れ替えた上に打順を変更。7番に下げた田中浩康内野手(29)が期待に応える決勝打を放って連敗を2で止めた。今季の勝ち越しも決め、2位中日との2ゲーム差を守った。明日4日からは対中日4連戦を含む12連戦。最後の力を振り絞り、総力戦でゴールまで突っ走る。

 決勝打の田中は、ヒーローインタビューを終えると苦笑いを浮かべて言った。「監督の言うことって何でかよく当たるんですよね。チャンスで回ってくるぞ、ポイントゲットしてくれって言われてたんです。その通りになってよかった」。定位置の2番から、8月28日以来今季4度目となる7番での先発。そして2-2の6回2死二塁、本当に回ってきたチャンスで左前適時打を放った。ベンチの狙いを見事に結実させ、大きな勝利をもぎとった。

 前日も3安打で、調子を落としての降格ではない。むしろ期待を込めての7番起用だった。小川監督は「田中は高崎に相性がいいので、2番よりもあそこで使った方がいいと思った」と理由を明かした。この日の2安打を含めて通算26打数11安打、打率4割2分3厘という対高崎の好成績、そして状態の良さに着目。普段は犠打の名手として2番を務めるチャンスメーカーに、この日はポイントゲッターの役割を託した。

 連敗を止めたのは必死のやりくりだった。この日は先発の山本斉や2番に入った福地ら5人を2軍から昇格させ、4人を登録抹消した。首位を走ってきた今季も不動のメンバーで悠々と他を圧倒してきたわけではない。時には青木を2番に入れ、全力疾走をしない選手は容赦なく外した。「クリーンアップがいつも打てるわけじゃない。そういう時は他のところで点を取らないと。それがチーム」という小川監督らが必死に頭を悩ませ、選手の状態をつぶさにチェックし、知恵を絞って勝利を積み重ねたことで今の首位がある。

 厳しい戦いはいよいよクライマックスに突入する。4日からはペナントレースの雌雄を決する12連戦。小川監督は中継ぎ陣に対し「毎日のように投げることになるかもしれない。12連投も覚悟してくれ。それぐらいの気持ちでやってくれ」とフル回転を命じた。「9月も10月も、やることは変わらない」という監督の言葉通り、小川ヤクルトは最後まで総力戦でゴールテープを目指していく。【大塚仁】【小川マジック】

 ◆休養

 ベテランの宮本、守備の負担が大きい捕手の相川には序盤から定期的に休養を与えた。救援投手にも配慮し、7月1日の広島6回戦(マツダ)では3連投の林昌勇に「準備しなくていい」と告げ、代役の押本がセーブを挙げた。

 ◆代走ズバリ

 7月7日、巨人10回戦(神宮)の11回2死満塁。打者青木のカウント2ボール1ストライクで一塁走者の相川に俊足の代走川本を送った。直後の4球目、青木が放った二塁横の打球で、好スタートを切った川本が二塁に滑り込み、間一髪封殺を免れた。その間に三塁走者が生還、サヨナラ勝ち。

 ◆畠山一塁固定

 畠山に苦手な左翼を守らせていたが、9月3日以降は一塁に固定。ホワイトセルを代打に専念させた。

 ◆毅然(きぜん)

 9月初旬の巨人3連戦で本塁打王のバレンティンを先発から外した。全力疾走やカバーを怠ったため。