<日本ハム0-12西武>◇10日◇札幌ドーム

 猛牛の背中はすぐそこにある。西武が投打がかみ合って日本ハムに完勝し、ソフトバンクに敗れた3位オリックスとの差を1ゲームにまで縮めた。15安打12得点の打線にあって、中村剛也内野手(28)が2戦連発となる46号3ランを放つなど3安打4打点の大暴れ。9月初めまで最下位に沈んだチームが、ついにクライマックスシリーズ(CS)進出圏内浮上へ、あと1歩のところまで上がってきた。

 会心の一撃がバックスクリーン右に突き刺さる。この瞬間、試合の大勢は決した。西武が、中村が、再び乗ってきた。5回無死一、二塁。2ボールから外寄りの甘い140キロを素直に、文句なく打ち返した。これで8-0。ワンサイドゲームを決定づけた46号3ランに「ちょっと前はあんまり良くなかったけど、だいぶバットが振れだした。良くなってきたかなと思う」と納得の表情だ。

 10月は打率1割台だったが、これで2試合連発。9月の10連勝を支えた主砲が不調を長引かせることなく、チーム同様上昇カーブを描きつつある。今季、バットのグリップの位置を少しだけ下げてシーズンに臨んでいる。胸の前でバットを立てた、自然体の構え。「高く構えると、余計な力が入っちゃう」。力みなくヘッドを走らせ、ボールまで最短距離でバットを出す。無駄を省いたフォームが遠くに飛ばせるポイントでとらえる確実性を高め、もともと大きかった調子の波を小さくすることにつながっている。

 その中村が孤軍奮闘する時期もあったが、この日は違う。5番フェルナンデスが先制打に通算200号となる15号2ランなど3安打4打点。下位打線にもタイムリーが飛び出し、最後まで打ちまくった。完勝で最大7ゲームあった3位との差は、ついに1ゲームに詰まった。

 今日11日の相手はダルビッシュ。試合終了直後の会見で、渡辺監督は言った。「頭の中は明日の強力なピッチャーを攻略することに切り替わっている。日本一のピッチャーを何とか攻略したい」。今季フルイニング出場を続けていた中島が、8回の打席で左足首付近に自打球を当てると「大丈夫だけど、明日のためにも早く冷やした方がいいと思って」と裏の守備からベンチに。開幕戦で7点を奪って以来の対決へ最善は尽くした。最強右腕を、逆転CSへの踏み台にさせてもらう。【亀山泰宏】