<楽天6-1ロッテ>◇10日◇Kスタ宮城

 タケシさん、ありがとうございました-。楽天塩見貴洋投手(23)が8勝目を挙げた。ロッテ打線相手に1回から全力全開。7回1失点に抑え、シーズン規定投球回(144回)をクリアした。お立ち台では、この日で楽天最後のプレーとなった山崎武司内野手(42)の激励を受けた。大先輩への感謝を胸に、もっと、もっと、大きくなってみせる。

 気合の入りが違った。1回2死からロッテ清田に二塁打を許したが踏ん張った。カスティーヨにフルカウントからフォーク。浮いても腕を振り切った分、タイミングをずらし一ゴロに仕留めた。苦手の立ち上がりを0で切り抜けた。

 何が何でも勝つしかない。理由は十分すぎるほど明らかだった。山崎の楽天ラストゲーム。新人左腕も、この日の試合が持つ意味を分かっていた。

 塩見

 今日は絶対に勝ちます。山崎さんが楽天の土台を作ってくれたから今があり、僕がこうしてプレーできている。感謝の気持ちを持って。5回までのつもりで腕を思い切り振ります。全力で飛ばしていきます。

 言葉に偽りはなかった。2回以降も毎回のように走者を背負ったが、与えた点は5回の1点だけ。7回128球を投げ抜き、9月2日以来の白星だ。一緒に上がったお立ち台で、山崎から熱いメッセージを受け取った。

 山崎

 これで新人王のチャンスが出てきたんで、後なんとか2勝しろ!

 塩見は1年生。僕は25年生ですが(笑い)。頑張ってください!

 横で目頭を熱くした。

 開幕は2軍で迎えたが、5月から先発ローテを守り続けた。シーズン規定投球回に達し、新人王の可能性も高まった。だが、まだまだ課題はある。この日は2死から8安打された。星野監督は「最悪の投球だ。あれでは競ったときに心配だよ」と厳しかったが、本人も重々承知。「ふがいない投球でした。これからも1戦1戦、大事に戦っていきたい」と胸を張ることはなかった。去りゆく山崎のために投げた試合で見つけたテーマ。それを克服し、成長した姿を見せる。それこそが大先輩への一番の恩返しとなる。【古川真弥】