<中日3-1ヤクルト>◇11日◇ナゴヤドーム
中日がクライマックスシリーズ(CS)進出リーグ一番乗りだ。ヤクルトとの首位攻防戦に連勝し、3連勝。4番トニ・ブランコ内野手(30)が1回、館山から右翼席へ14号2ラン。安打狙いながらスタンドに放り込むという規格外のパワーを見せつけた。10月は早くも4発。来日1年目から才能を認めてくれ、今季限りで退任する落合博満監督(57)の有終Vへ一直線だ。
ケタ違いのパワーだった。1回2死三塁、ブランコは先制点のために安打狙いで打席に入った。初球、慎重に入りたい相川はボールゾーンに構えた。だが、館山の直球は外角のストライクゾーンへ。長い腕をいっぱいに伸ばし、とらえた打球は、何と右翼席中段へ届いてしまった。「ヒットを狙ったんだけど、本塁打になったね。(低反発と言われる)今年のボールも、しっかりとらえれば飛ぶんだよ」と、したり顔で振り返った。
14号先制2ランで前日に続いて先制すると、強力投手陣の踏ん張りでそのまま決勝点となった。8月末に右手中指のけがから復帰。それ以降、主砲が打点を挙げた試合でチームは16勝2敗1分け。9月22日の落合監督退任発表以降に限れば、打率3割1分3厘、11打点、4本塁打と全開モードに突入した。その理由を、こう説明する。「監督、コーチも今年で終わり…。最後まで頑張りたいと思っている」。3年前、ドミニカ共和国から30万ドルで海を渡ってきた。粗削りな打撃に周囲の評価はいまいちだったが、一目で才能を見抜いてくれたのは落合監督だった。「最初に決めたよ。よく練習するしな。周りは散々打てないだろうって言っていたけど、結果を出したら、すぐに手のひらを返すんだからな」(同監督)。
期待に応えるように、1年目から本塁打、打点の2冠王を獲得した。今はその数字にはほど遠い。しかし日本で成功するきっかけをつくってくれた指揮官、森ヘッドコーチらに最高の恩返しをしたい。主砲の熱い思いはバットに乗り移っている。
CSも確定し、今日勝って4連勝なら、優勝マジック4が点灯する。ブランコのパワーは、頂点に上り詰めるまで止まらない。【鈴木忠平】



