ケチックスちゃうで。オリックスが今オフ、予算無制限の大型補強に踏み切ることが25日、分かった。岡田彰布監督(53)は都内で宮内オーナーにシーズン終了を報告し、補強策について協議。打点を稼げる右の強打者を重要ポイントに挙げ、国内FA選手の調査も本格的に進める。「来年は優勝」と誓う岡田監督を最大サポートするため、予算の制限を設けない超攻撃的なスタンスだ。

 東京湾も見渡せるオリックス東京本社の最上階で、96年以来のリーグVに向けた球団トップ会談が行われた。宮内オーナーに西名社長、ロバートソン取締役会議長、村山本部長、岡田監督。宮内オーナーは「秘密に属しますので申し上げられない」と詳細を伏せたが、村山本部長は「外国人、ドラフト、FA含めてどの選手がいいか。予算的なものは次で、必要な選手をしっかり取りに行く」と補足説明した。オーナーからの補強予算制限について「一切ない」とし、大型補強の可能性をにおわせた。

 優勝したソフトバンクと20・5ゲーム差。補強のパワー差を感じていた岡田監督もこの日、具体的なオフの補強策に触れた。「(打線は)左中心になってる。右が1枚いれば、来年優勝を狙える戦力になると思う」「パは左のいい投手がいる。右で1軍で打てるのを補強して、な。やっぱり打点よ。別にDHでもいい。(退団した)スンちゃん(李)の一塁でもいいし。守りより打つ方でな」。

 ずばり右の強打者。今季は右ではバルディリスの66打点がチーム最多で、さらに上を望む。すでに外国人選手はリストアップ済みで、村山本部長は「何人か頭の中にある。外国人と照らし合わせて」と国内FA戦線への参戦も示唆した。

 FA有資格者の動向については本格的な調査を始めている。権利行使も視野に入れていることが明らかになった、セ・リーグ打点王の阪神新井は岡田監督の「理想」に適合する。広島からFA移籍した際の阪神監督という縁もある。推定2億円の年俸も予算無制限なら支障とならない。広島栗原、横浜村田らと合わせて動向を探ることになる。

 CSを勝率1毛差で逃し、4位。岡田監督は「CSは最低限のラインかなと思ったが、そこも最後は達成できず、もう少し怒られるかと思った」と素直な感想を口にした。もっとも宮内オーナーは「チームの戦力からすると100点でも落第でもない。これが力かな」と戦力差も認めていただけに、オフの「攻勢」が注目される。