<セCSファイナルステージ:中日1-2ヤクルト>◇第3戦◇4日◇ナゴヤドーム
勝負はここからだ!
落合竜が執念の継投を見せた。1点を追う8回に浅尾拓也投手(27)9回には岩瀬仁紀投手(36)をつぎ込んだ。シーズン中にはなかったビハインド展開で「必勝方程式」の投入。打線が2試合連続1点止まりで、アドバンテージを含め2勝2敗のタイに持ち込まれた。捨て身でぶつかってくるヤクルトに、こちらも一戦必勝の気迫を示し、今日はやり返す!
場内アナウンスに大歓声が起こった。1点ビハインドの8回、マウンドに上がったのは浅尾だった。沈みがちだった本拠地のムードは、最強セットアッパー登場で一気に最高潮に達した。先頭青木にはヒットを許したものの畠山を併殺、バレンティンを見逃し三振と相手のクリーンアップを3人で片付けた。
さらに、続く9回に登板したのは岩瀬だ。「短期決戦はシーズンとは違う。勝たないと仕方ない。とにかく勝つことが大事だから」。浅尾をしのぐ歓声に包まれた守護神は簡単に3人で料理した。シーズン中、浅尾-岩瀬という必勝継投は負けている場面ではなかった。だが、6試合の短期決戦。明日なき戦いに、一戦必勝の覚悟を示すのは当然だった。
2人が1点差を保ったまま、望みをつないだ9回裏の攻撃は、ブランコの大飛球が中堅手のグラブに収まって終わった。5安打、8四球とチャンスはつくったが、あと1本が出なかった。投手をどんどんつぎ込んでくる捨て身のヤクルトに2夜連続で1点に封じられた。2勝2敗のタイに持ち込まれ、アドバンテージがなければ1勝2敗と負け越し状態だ。それでも、落合監督が落ち着いた表情を崩すことはなかった。
「足は動いているよ。ただ、気持ちってのがな。引っ込みすぎてもだめだし、今みたいに出過ぎてもだめ。それが足と一緒にならないといけない。まあ、心配することはないよ」
2度の満塁機を生かせなかった荒木、7回1死一、三塁で三振に倒れた谷繁、落合博満監督(57)の目には不調ではなく「気負い」と映ったようだ。そして、指揮官がなお、余裕を保っていられたのは浅尾、岩瀬に代表される最強投手陣がいるからだろう。4回、同点として、なお1死満塁の場面では先発山井に代打を送らず、勝ち越せなかった。その直後に山井が決勝の2点目を奪われた。結果的に山井続投は裏目に出たが、最後に浅尾、岩瀬を投入した。捨て身でぶつかってくるヤクルトに対し、負けじと勝利への執念を示した。
森ヘッドコーチは浅尾、岩瀬の投入について短くこう答えた。「他にだれがいる?」。
先制できれば、逃げ切れる。たとえ、負けていても失点を最小限に食い止め、反撃の態勢を整えることができる。泣いても、笑っても、残り3試合。ペナントレースを制した最大の武器をフル活用して、勝ちにいく。【鈴木忠平】



