阪神上本博紀内野手(25)は、年間ノーミスでレギュラー平野を脅かす。近年キャンプでは異例の早出特守が組まれ、和田豊監督(49)から黒瀬ともに参加指令を受けた。しかも虎の指揮官が宿舎出発を30分早めて視察するのも超異例。あり余る期待の大きさに、発奮しないはずがなかった。
「朝は関係ないです。去年も今年も毎年ミスをしてる。守備が課題ですから」
昨季は28試合で無失策、今季は67で4失策。捕れそうな打球がヒットになったり、併殺の取り損ねなど、記録に表れないミスを猛省する日々だった。まだ選手が到着していない無人のサブグラウンド。ノッカー久慈内野守備走塁コーチが容赦なく左右前後に振る打球に、懸命に食らいついた。
後方で見守っていた和田監督からも、身ぶり手ぶりの直接指導を受けた。終盤の守備固めなど、1死の価値がより重い場面での出番が多いだけに、間一髪の併殺崩れは痛い。課題の1つがそのスローイング。「(監督からは)握り替えの話です。捕って一発で放れるように」。同じ二塁手でゴールデングラブ賞を3度獲得した大先輩直々の金言を、頭と体にたたき込んだ。
和田監督もさらなる奮起を促した。「守りのレベルを上げればレギュラー争いに入ってこれる。実戦向きで何かやってくれる雰囲気がある。殻を破って変わってほしい選手の1人だね」。監督によると、頭と体が疲れていない朝は、意識しながら矯正するにはベストの時間帯。逆に夕刻など疲れた時間帯の練習は、無意識のうちに体に染みこませる効果があるという。二塁平野を脅かす存在にするべく、英才教育を継続。実りの秋にする。【松井清員】



