きょうから一般人だもん!
前日の日本シリーズ敗退をもって監督を退いた中日落合博満前監督(57)が9年ぶりの「一般人」を満喫した。感涙の落合竜フィナーレから一夜明けた21日、福岡から名古屋へ戻った名将は8年間背負った肩書が取れたことについて「非常にいいねえ」と満面の笑み。常勝という重圧からの解放感を表現した。
落合監督が、いや、前日の日本シリーズ敗退をもって一般人となった落合前監督が満面の笑みを浮かべた。午後3時前、福岡市内のホテルのロビーに信子夫人を伴って現れた。他の選手やスタッフはすでに名古屋へ帰っていたが、激闘の疲れを癒やすためか、夫婦はたっぷりと睡眠を取ってからのチェックアウト。待っていたファンが花束をくれた。
8年間背負った監督という肩書を降ろした名将は9年ぶりに公人から一般人となった気分について問われると、得意げにこう言った。
「非常にいいねえ。うれしいですよお~」
監督に就任してからの8年間、こんなに解放感のある笑顔を見せたことがあっただろうか。04年の就任以来、リーグ優勝4度、日本シリーズに5度出場してきた。常勝という看板を背負い続けた名将がようやく解放された瞬間だった。
前夜は監督人生最大のラストゲームだった。3勝3敗で迎えた日本シリーズ第7戦。最強と言われるソフトバンクを相手に最後まで守りの野球を貫いて散った。試合直後にはベンチ裏の一室に選手、全スタッフを集めて、別れのあいさつを行った。
「8年間、ありがとうな。今、この場に立っているのはみんなのおかげだ。この場に立っていることに感謝している。ただ、ここからも下手な野球はやるなよな。でなきゃ、今までやってきた意味がないだろ」
オレ流指揮官から最後の感謝と訓示。その言葉にみんなが号泣した。ホテルに戻ってからも、長年支えてくれたコーチングスタッフ、主力選手たちと別れのあいさつが続いたという。感動の一夜が明け、すがすがしい思いだったことだろう。きょう22日には、退任会見が予定されている。希代の名将は、それを最後に休養期間に入る。【鈴木忠平】



