日本シリーズ最年長MVPのソフトバンク小久保裕紀主将(40)が、来季完全復活の全144試合一塁出場を目指す。神経圧迫症状がみられる首痛の改善へ、今日28日に国内で術前検査を受ける。手術するかどうかの決定は近日中に下す見込み。完全復調を果たし、新外国人ウイリーモー・ペーニャ外野手(29=前マリナーズ)を含めた激しいレギュラー争いも制してみせる。

 主将小久保が、大きな決断を目前に控えている。実家のある和歌山市内で「第7回

 小久保裕紀杯野球大会」を開催。懸命にプレーする子どもたちに視線をやりながら、言った。

 「術前検査は明日(28日)受ける。今は痛みがないこともドクターに相談して、球団やトレーナーとも話して、手術するかどうかを決める」

 首の手術を視野に入れる。手術に踏み切る場合は、12月上旬を予定。デリケートな場所だけに慎重を期している。ただ、手術を検討する理由は明快だ。

 「首のことが何もなければ、全部(試合に)出られる。(一塁での問いに)当たり前やろ。腰とかどこも痛いところはない。走れるし、動ける」

 144試合一塁出場へのこだわりが強い。40歳にして2年連続ゴールデングラブ賞に輝いた。日本シリーズではバットだけでなく、硬さがみられた川崎のワンバウンド送球を難なく処理し、チームを救った。

 手術したケースでも、来年1月4日に米アリゾナへの単独自主トレに出発し、同27日に帰国する日程を組む。2月春季キャンプも遅れず同行するスケジュール。メジャー屈指のパワーヒッター、ペーニャを獲得する方向だが、「あっ、そう」と無関心。敵はライバルではない。

 過去7カ所の手術を受けるなど数々のケガに見舞われたが、その度に復活し、通算2000安打まで残り38安打。不屈のスラッガーが、完全復活への道を進んでいく。【松井周治】