阪神和田豊監督(49)が2012年バージョンの新打線構築をスタートする。鳥谷の来季残留が正式発表され、はずむ声で来季構想の本格着手を宣言した。

 「今日初めて考えられる状態になった。スタートが切れる段階になったので喜ばしいこと」

 鳥谷からは、前日27日に電話で報告を受けた。28日は球団主催のオーナー杯ゴルフで顔を合わせて「よかったな」と声をかけた。「トリもすっきりした顔をしていた」。現状では4番に新井を指名しているが、不測の事態があれば鳥谷、金本も候補に挙げている。

 「中心は早いうちに決めたいが、どうやったら点がとれるか。理想と現実の両方を追う。誰が何番かは自然に見えていくもの」

 その上で勝利に導く指揮官の責務も口にした。今季のベストナインは鳥谷、平野、マートンが受賞した。

 「センターライン、チームの中心を担う選手がとっている。これを勝ちにつなげることが我々の仕事。今季は多くの選手がタイトルを受賞してうれしいけど、優勝と合わせ技、勝ってとりたい、というのが選手の本当の気持ち。来季は2倍、3倍と喜べる受賞にしないといけない」と口にした。【益田一弘】