楽天星野仙一監督(64)が10日、地元東北の逸材獲得に動く可能性を示した。前日9日から東北各県の後援会巡りをスタート。この日は朝、青森をたつと、新幹線を乗り継ぎ秋田、岩手と精力的に動いた。秋田の懇親会では、なまはげに負けない迫力ある声で訴えた。「もっと秋田の選手が楽天に入ってくれればいいんです」とあいさつ。ご当地のソフトバンク14勝右腕の摂津に触れ「よくやられました。どうして楽天は良い投手を逃すんだろう」と続けた。

 逃した魚は何とやら、だ。「摂津はなんでとれなかったんだ」とボヤくのも無理はない。08年ドラフト5位と下位指名だっただけに、楽天にも獲得チャンスはあった。まして社会人はJR東日本東北と、お膝元の仙台で過ごしている。星野監督のドラフト方針は、東北という理由だけで指名順位を上げることはしない。ただ08年当時、地元球団の優位性を生かし切れなかったことに悔いが残る。

 来年のドラフトで、東北では150キロ右腕の花巻東(岩手)大谷投手や逆方向の右にも長打が打てる光星学院(青森)田村捕手らが指名候補に挙げられる。情報はキャッチ済み。星野監督は「(東北に)良い選手がいたら、いくよ。いかに若者を育てるかが監督のロマン」と宣言した。みちのく球団として、マークを続けていく。【古川真弥】