【ホノルル(ハワイ)12日(日本時間13日)=奈島宏樹】ソフトバンク王貞治球団会長(71)が、西武からFA宣言してソフトバンク入りを表明した帆足和幸投手(32)を、投手陣のリーダーに指名した。V旅行のウエルカムパーティーに出席。緩急をつけた投球術を高く評価し、若手の良き見本となることを期待した。

 温暖なハワイに吉報が届いた。FA宣言した帆足がソフトバンク入りを表明。ハワイ優勝旅行に参加中の王球団会長は、来季の補強の目玉が無事に獲得できたことを喜び、早くも投手陣のリーダーに指名した。

 王会長

 帆足の投球スタイルは、今の左投手の先鞭(せんべん)をつけた。(落ちる球で)緩急をつけることがうまい。右打者に対して向かっていく球もあるけど、抜いた球も有効。若い投手にとって参考になるんじゃないか。

 エース杉内は巨人入りが確実な状況で今日にもソフトバンクに断りを入れる。和田はメジャー挑戦を表明しホールトンも巨人入り濃厚。合計43勝をあげた3本柱が抜ける。危機的状況の中、王会長が帆足に期待するのは、大隣、山田らの手本になること。若手左腕が緩急のつけ方を身につければ大化けすると考えている。

 王会長

 大隣は今向こう(ドミニカでのウインターリーグ)で苦しんでいるみたいだけど、(帆足のように)左右を広く使う技術を身につけてほしい。川原もそう。変化球の握りもピッチングのこともいろいろ聞けばいい。

 もちろん、先発ローテの軸としてフル回転することも期待している。得意のパームボールで打者のタイミングを狂わせ、凡打の山を築く。その姿を見て、若手が刺激を受け成長する。帆足加入による相乗効果が2年連続日本一への大きな鍵を握る。

 王会長

 彼に何勝を期待するとか、こちらからプレッシャーになるようなことは言わない。3年で29勝。安定しているね。今が一番、脂が乗っている時期なんじゃないかな。うちは12球団でただ1つ、2年連続日本一を目指せるんだから。

 ソフトバンクにとって、最近4シーズンで1勝7敗と大きく負け越していた左腕の獲得は、大きなプラスにもなる。帆足が2年連続日本一へのキーマンになる。