“妄想”から“現実”へシフト転換する時期が迫ってきた。日本ハムの栗山英樹新監督(50)が30日、1年を締めくくるため、東京から空路、北海道入り。日に日に近づく監督としての本番へ向けて、気持ちを高めた。

 肌を刺すような冷気に、思わず身をすくめた。スポーツキャスター時代の01年から数えて12度目になる、今回の北海道での年越し。大みそかに栗山町にある栗山天満宮へ参拝することが恒例行事となっていたが、今年は特別な思いで同天満宮へ足を運ぶことになりそうだ。「今までは、今年1年が終わってホッとしたという気持ちで年を越していたけど、今年はそういうのが全然ない。むしろ、北海道に来るたびに、どんどん緊張感が高まっているんだよね」。11月3日の監督就任会見から約2カ月。「今までやってきた仕事に一区切りついた」。年明けからは、監督としての仕事に一気に本格化する。

 これまでは「中田1番」や「糸井、右翼転向」など、選手の起用法について斬新なプランを次々と披露してきた。固定概念にとらわれるのではなく、自由な発想こそが今後のチーム設計に役立つと考えたからだ。「今までは妄想ばかり言ってきたけど、1月に入ったら妄想を現実にしていかないと。その準備のためにも、年明け早々に東京へ帰ります」。例年1週間ほどだった北海道滞在を今回に限っては大幅に短縮し、シフトチェンジした発想で作戦を練り直す。【中島宙恵】