家康になる!

 阪神ドラフト1位の伊藤隼太外野手(22=慶大)が4日、名古屋市内のホテルで、かつて所属した愛知長久手ボーイズ主催の「阪神タイガース入団を祝う会」に出席した。長久手は、秀吉対家康の「小牧・長久手の戦い」で有名な古戦場。「家康派」のドラ1ルーキーは、徳川幕府が260年以上続いたことを念頭に、常勝軍団の礎となる覚悟を明かした。

 壮行会の壇上で、驚くほどのスポットライトを浴びた。見渡せば、愛知長久手ボーイズの選手が並んでいた。長久手と言えば、かつて羽柴秀吉陣営と織田信雄・徳川家康陣営が刀を交えた「小牧・長久手の戦い」が脳裏に浮かぶ。戦国武将として、事あるごとに比較されてきた秀吉と家康。隼太は家康派だった。

 伊藤隼

 家康ですね。秀吉は天下統一しましたけど、すぐに…。徳川は天下統一してから長く続いた。僕もプロに入るだけじゃなく、長く続けていきたいので。家康の方が好きです。

 中学時代、授業で「秀吉派か?

 家康派か?」というテーマの討論大会に参加した記憶がある。当時は漠然と家康を選んだが、今の理由は明確だ。「歴史は得意でした。高2からは理系になったので、あまり勉強できませんでしたけど」。知識を積み重ねて今、いよいよプロの扉を開こうとしている。約18年で幕を閉じた豊臣政権に対し、家康が礎を築いた徳川政権は1603年から260年以上も続いた。プロ入り後の大目標でもある「長寿」に魅力を感じた。

 とはいえ、何から何まで家康に心酔している訳ではない。家康と秀吉の性格を表現した歌を例に出せば、家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」。秀吉は「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」。家康派の隼太だが、プロでは時に秀吉派に転じる必要性も感じている。「(家康のような考え方なら)待ってもらえないかもしれないので」。あくまで1年目から勝負をかけ、息の長い野球人を目指す。

 伊藤隼

 周りの選手を見て、正直プロは難しいと思った時期もありました。うかうかしてはいられない。プロで長く活躍して、周りに認められるようになりたい。皆さん(長久手ボーイズの選手ら)がプロに入ってくるまで、自分も長くやれるように。

 激励会冒頭のあいさつでは、後輩たちに長寿を誓った。理想は徳川幕府!?

 隼太の天下統一物語が、いざ華やかに幕を開ける。【佐井陽介】