広島福井優也投手(23)が、背番号11にちなんだ「1並び」の11日11時11分にマツダスタジアムに登場した。新人だった昨年は、1月11日の午後1時に入寮。キャンプインまで1日だけの本拠地での自主トレに験を担いだ。昨年のキャンプは左足太もも裏痛などでスロー調整だったが、今年はすでに打者への投球も開始。2月1日のブルペン入りへ万全な状態を整える。

 満を持しての登場だった。小麦色に日焼けし、頭髪も明るくなった福井は、1月11日11時11分にマツダスタジアムのグラウンドに姿を現した。入れ違いになった前田健、今村とあいさつを交わすと、約1時間ランニングやキャッチボールで軽めに汗を流した。

 「11日の11時11分に球場入りしました。去年も11日の(午後)1時に入寮だったので。ちょうどいいので、どうせなら11時11分でと思いました」

 背番号11への思い入れが、験を担いだ行動となって現れた。今月4日から都内の東京ガスグラウンドで、西武片岡らとともに自主トレを開始。前日10日に所用で1度広島に戻っており、偶然のことを「1並び」の意味がある本拠地訪問に仕立て上げた。

 年始からハードメニューをこなしている。午前10時から午後4時までの練習は、走り込みと体づくりが中心だ。その中で、すでに片岡の打撃投手を務め変化球も解禁。「スライダーがいいね」と高評価ももらった。肩づくりと並行して行っているのが、ダルビッシュ投法へのフォーム改造だ。

 「左腕の使い方は、イメージはダルビッシュさんです。上(半身)と下(半身)の動きを別にできるようにです」

 肩が開く癖を抑え、球威を求めると同時に、球の出所を見づらくする狙いがある。球界を代表する「11」を見本に進化を遂げようとしている。

 新人イヤーの昨春のキャンプは、左太もも裏痛などで出遅れ、ブルペン入りは2月10日。同じ過ちは犯さない。「2月1日から投げられるようにして、アピールできるようにしたい」。今後も21日まで東京ガスで自主トレを行う予定で、24日から先乗りで沖縄入りする。2年目のジンクスではなく、進化したスタイルで“1番”を目指す。【鎌田真一郎】